塩レモンって?
歴史ある万能調味料
“塩レモン”は、さいの目切りや4分の1カット、場合によっては丸ごとのレモンを、水、レモン汁、および塩水に浸して、数週間または数か月の間、常温で乳酸発酵させて作ることで出来る万能調味料です。
日本では2014年に“塩レモン”という言葉が流行語大賞にノミネートされたように、発酵ブームの先駆けとして広く知られるようになりましたが、それまでは一部の料理店などで見られる程度でほとんど普及していませんでした。
海外(レモンピクルスと呼ばれることが多い)、特にインド周辺の国々や北アフリカでは古くからある一般的な調味料だそうで、例えば、モロッコ料理においては重要な材料の一つで、日本でいうところの味噌や醤油並みに料理に欠かせない調味料となっています。
塩に漬け込む塩レモンは、旬の時期からしばらくたった後や、産地から遠い場所でもレモンが使用できるようにするために効果的で、まだ今ほど保存技術が発達していない19世紀初め頃にはヨーロッパやアメリカにも広まっていったようです。
塩レモンの発酵
“発酵食品”と言われるものの、その発酵の過程について説明されている文章もネット上には少なく、そのためか「塩レモンは発酵食品ではない」という話も多く見られます(似た製法の“梅干し”の多くが発酵食品ではないことなどから)。
素人の考えではありますが、個人的に思う“塩レモンの発酵過程”はこんな感じだと思います。間違っているようでしたら教えてください^^;。
① 塩につけることで、浸透圧によってレモンに含まれるブドウ糖や果糖などが水分とともに果実の外に浸出する
② 糖分がピルビン酸へと変化し、密閉された空間にてそれを養分に果実に付着していた乳酸菌が増殖する(乳酸菌が嫌気性なため)
③ 乳酸菌が増えると乳酸がたくさん作られ、その殺菌作用で食中毒菌や雑菌などは死滅する
こうなると「消毒処理されていないレモンを使用する」、「密閉容器を準備してむやみに開閉しない」などを作る際に気をつける必要があるかと感じます。
なお、乳酸発酵させなくても塩漬けにするだけで、相応の保存効果が期待できると思いますので、必ず発酵させなければならないということもないと思います(^^)。
塩レモンの作り方
さて、実際に塩レモンを作っていきたいと思います。
まず無農薬レモン10個は良く洗い、半分は輪切り、半分はくし形に切ります。
楊枝で種を取り、煮沸消毒した瓶にレモン3枚(または3欠片)程度を入れ、小さじ2の塩を入れます。
同じ分量でレモンと塩を交互に入れていき最後に塩を上に乗せます。
毎日一回はこの瓶を、蓋を閉めたまま振るようにし、1週間たったころには水分が溜まり、使えるようなってきます。
そのままスープに入れるなどでも良いですし、フードプロセッサーにかけて細かくすれば、どんな料理にも爽やかな美味しさを加えられるようになります(^^)。
塩レモンを使った料理例
塩レモン唐揚げ
お弁当には定番の“唐揚げ”ですが、全体的に爽やかなこの日のお弁当の雰囲気に合わせて、唐揚げもこの“塩レモン”を使って、さっぱりとした風味に仕上げています。
塩レモンは、唐揚げ自体をそこまで塩味強くすることなく、まろやかで爽やかなレモンの風味を足すことができますので、いつもと一風変わった唐揚げを用意したいときには、手軽に作れる一品です(^^)。
塩レモン餃子
肉汁溢れるジューシー焼き餃子に塩レモンを混ぜることで、さっぱりと食べれる爽やかな風味の餃子となります。
全体的にしっかりと味付けされることの多い中華風のお弁当ですが、その中にさっぱりとしたレモンの風味を感じる一品が加わると、また一層全体的なバランスも良くなってきます(^o^)。